導入事例インタビュー

授業準備の負担を50%削減、学生のAI活用率は1年で2倍に!ー導入事例インタビュー【NCC 新潟コンピュータ専門学校】


NCC 新潟コンピュータ専門学校 IT総合学科
授業準備の負担を50%削減、学生のAI活用率は1年で2倍に!
~「AI STUDIO」で実現した新潟発・AI人材育成の現場~

IT総合学科担任:菊地直人 先生
IT総合学科4年生:中村アトム さん

近年、AI教育の重要性が社会全体で高まるなか、NCC 新潟コンピュータ専門学校 IT総合学科では、プロを育てるための実践的なAI教育の内容に課題を抱えていました。

そんな中、AIを「使う力」と「作る力」の両方を育成できる教材「AI STUDIO」を導入したことで、授業準備にかかる時間が50%削減しました。
また、AIを活用する学生の割合が1年で50%から95%にまで増加し、授業内外における学生のAI活用の姿勢にも大きな変化が見られるようになりました。

今回は、同学科の菊地直人先生と、AI企業から内定を獲得した4年生の中村アトムさんに、AI STUDIOを活用した授業の手応えや、導入によってもたらされた変化についてお話を伺いました。

■学生インタビュー:中村アトムさん

IT総合学科4年生:中村アトム さん

中村さん:AIの活用は、ほぼゼロに近い状態でした。AIにはもともと興味はあり、授業でもPythonなどでAIについては学んでいましたが、「映画やSFの中に登場するような存在」という印象が強かったです

誰かにお願いして使ってもらうことが多く、授業や日常で使えるイメージがまったく持てていなかったです。


AIが“日常の相棒”に―AIの授業で広がった学びと日常の変化

中村さん:AIに関する授業にはとても満足しています。

データ分析のような技術的な活用だけでなく、プレゼンテーション資料の作成など、より実践的で幅広い分野にAIを活用できることを知り、自分の中でAIの可能性が大きく広がりました。
特に、授業を通じて実務に活かせるスキルとして学べた点が印象に残っています。


中村さん:AIを使うようになって感じた一番大きな変化は、「自分でできることが格段に増えた」ことです。
授業では、簡単なコードの作成をAIにサポートしてもらえるため、作業スピードが大幅に向上しました。
また、システムのディレクトリの構造や変数の名前の提案もAIにしてもらい、考える際の1つの参考にしています。

現在、授業で開発をしている注文管理アプリでも、苦手な言語でのUI(ビジュアル)を作ってもらうところだけはAIに手伝ってもらうなど、適切に使っています。

さらに授業以外でも、趣味のテーブルトークRPGでは、背景画像やマップを画像生成AIで作ったり、苦手な数学の問題をAIに作ってもらったりと、幅広い場面で活用しています。
たとえば、手書きで1週間かかっていたマップ作成が、数時間で完成するなど、AIの利便性を強く実感しています。

今ではAIが、日常的に頼れる“相棒”のような存在になっています。

■学生だからこそ感じる、AIを学ぶ価値とは何だと思いますか?

中村さん:「自分のできる幅が広がること」が一番大きいと思います。

知識や経験がまだ十分でない段階でも、AIがあることで何でも聞ける存在が出来て、作業のハードルが下がりました。
一人では難しいと感じていたことも、AIのサポートによって実現できるようになり、それが自信にもつながりました。
「自分にもできる!」と思える体験が増えることで、AIは自分の可能性を広げてくれ、安心して挑戦できるようになると思います。

AIの授業を通じてキャリア観が変化、AI企業に内定!

■授業を受けて、キャリア観にも変化はありましたか?

中村さん:AIの授業を通じて、「AIを使う側」から「AIを作る側になりたい」という意識へと変化しました。

もともと、コロナ禍で身近なお店が次々と閉店していく様子を目の当たりにし、将来性のある分野・職種で活躍したいという思いを強く抱いていました。

その中で、AIの授業でAIがコーディングの分野でも速さ・正確さでも高いレベルであることを痛感し、自分が学んでいるIT業界で「この先、生き残るためにどうすべきか」を真剣に考えるようになり、AIの分野に挑戦する決意を固めました。

■来年からは、AIに関わる企業に就職されるそうですね。

中村さん:はい。「AIを作る側に関わりたい」という軸で就職活動を進め、AIの研究やプロダクトの開発を行っている「新潟人工知能研究所」様に内定をいただきました。

また、授業で身につけたAIの活用スキルは、面接練習や履歴書の作成にも活かされました。
仮にうまくいかない場面があっても、AIを振り返りや改善に活かし、PDCAをスムーズに回すことができ、自信を持って次のステップへ進むことができました。

■教員インタビュー:菊地 直人先生

IT総合学科:菊地直人 先生

■「AI STUDIO」導入前に抱えていた課題について教えてください。

菊地先生NCC 新潟コンピュータ専門学校では、急速に進展するAI技術に対応するため、教育現場においてもAIリテラシーや活用スキルの育成が急務となりました。

学生が将来の現場で活用できる教育となると、教員が一から教材を準備し、各学科の特性に合わせてカリキュラムを構築するには多くの工数と現場の知識や経験が必要であり、なかなか適切な教材もない状況が続いていました。

特に、日々進化を続けるIT分野を扱うIT総合学科においては、「AIの急速な進化にどのように対応していくか」が、大きな課題でした。

「AI STUDIO」の決め手は、「学科ごとに教材をカスタマイズできる」

■AI STUDIOを導入するにあたって、決め手となった理由は何ですか?

菊地先生「AI STUDIO」を導入した最大の理由は、「学科ごとのニーズに応じて、教材を柔軟にカスタマイズできる点」です。

当校には、IT総合学科のようにプログラミングを重視する学科から、eスポーツ学科のように非プログラミング系の学科まで幅広い分野がありますが、「AI STUDIO」であれば、AIの基礎から実践的なプログラミングまでを自由に選ぶことができそれぞれの学科に合った形で授業に組み込むことが可能です。

さらに、教材・授業用スライド・小テストなどが一式そろっている点も大きな魅力でした。

導入前に教材の内容を確認できたことで、不安を解消し、安心して授業に取り入れることができました。

導入後、教員負担は50%削減、AIを利用する学生が95%に!

■導入後、教員の立場として感じた変化について教えてください。

菊地先生AI STUDIOを導入したことで、教員側の授業準備にかかる工数が大幅に削減されました。事前に内容に目を通す必要は当然ありますが、特に、これまで時間と労力を要していたシラバスの作成や授業用のスライド作成の作業が必要なくなり、感覚としては、授業準備の負担は従来の半分以下になったと感じています。

その結果、空いた時間を学生指導や授業内容の充実に充てることができるようになりました。

あらかじめ安心して使える教材が揃っていることで、教員にとってもAI教育を導入する際のハードルが大きく下がったと実感しています。

■導入後、学生にどのような変化がありましたか?

菊地先生また、AIに対する学生の変化について実感しています。

1年前はAIを活用している学生は半数にも満たない状況でしたが、現在では、体感として95%以上の学生が授業内外で積極的にAIを活用するようになりました。

また、AIを「実際に使えるスキル」として習得する学生が増えたことで、導入前と比べてより良い制作物を作れるようになりました。

企画の初期段階から、アイデア出しや壁打ち、さらにはコーディングのアシスタントに至るまで、幅広くAIを活用しています。

一機能から主機能へ──学生の成果物にも変化

■AIを活用し、学生が制作した成果物について教えてください。

菊地先生 学生たちはAIを活用し、さまざまな成果物を制作しています。

昨年度(AI STUDIOの導入初年度)は、AIを既存のアプリに付加する「一機能」として使うケースが見受けられ、たとえば健康管理アプリにおいて、食事や筋トレメニューを提案する機能を組み込むといった形でした。

今年度はさらに、AIを「メイン機能」としたアプリケーションの開発が進み、音声認識・文字起こし・フィードバック機能を備えたAI面接練習アプリなど、実用性の高い作品が生まれています。実践を通じてAIを“使いこなす力”が育っていると感じます。

我流で終わらせない、プロを育てるためのAI教育

■最近は学生が自己流でAIを使うことも多いですが、改めて学校で「基礎」から教える意義をどうお考えですか?

菊地先生確かに、多くの学生が既にChatGPTなどを使っています。しかし、それはあくまで“趣味”のレベルです。専門学校の先にあるのは“実務”ですから、私たちはプロとしてAIを活用する方法を教える必要があります。

その一つが、AIに的確な指示を出す「プロンプトエンジニアリング」の考え方です。これは、相手の意図を汲み取り、誤解なく正確に指示を伝えるという、社会人に必須のコミュニケーション能力そのもの。AIを相手にすることで、この対話力を鍛えることができると考えています。

また、AIは便利ですが、AIが出した答えを鵜呑みにするのは危険です。
生成されたものが本当に正しいかを判断し、責任を持つためには、土台となる基礎知識が不可欠です。
AIが生み出す成果と学生本人のスキルとの間にギャップが生まれないよう、基礎力をしっかり固めた上でAIを活用させる。それが、これからの時代に求められる我々教育者の役割だと感じています。

■今後の展望について

菊地先生今後は、学生一人ひとりが基礎的な知識やスキルをしっかり身につけた上で、AIを道具として使いこなし、より良い成果を生み出せるよう指導していきたいと考えています。
単なる“使い方”だけでなく、「どう活用すれば価値を生み出せるか」を考えられる力を育み、他学科との連携や実務に近いプロジェクトへの応用も進めながら、社会で通用する新しい時代の人材育成を目指していきます。

今回、NCC 新潟コンピュータ専門学校の菊地直人先生と4年生の中村アトムさんにインタビューの機会をいただき、AI STUDIOを通じて広がる「学びの変化」や「学生の成長」に対する熱い想いを感じることができました。

貴重なお話をありがとうございました。

AI教育も、時代とともに求められる役割が変化しています。

一部の専門職向けだった『AI教育1.0』から、すべての学生が触れるべき教養としての『AI教育2.0』へ。そして今、dottは実践型・成果重視の『AI教育3.0』として、AI STUDIOを展開していきます。

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